ストレートネック、O脚、X脚、側弯症について

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ストレートネック、O脚、X脚、側弯症について

ストレートネック、X脚、O脚、側弯などの歪みは、視診上は同じように歪んでいても構造的問題と機能的問題の2つのパターンがあります。

構造的→骨の変形、先天的な形状など構造による歪みであり、これを改善させるには構造自体を変えるしか方法がないため、カイロプラクティックでは効果は期待出来ず適応外です。※構造的問題が原因で起こった二次性の機能的問題は適応です。

機能的→構造的問題を伴わない歪みであり痛みからの逃避姿勢、筋のアンバランス、不良姿勢、関節可動性、アライメントの乱れなどが原因で起こる歪みであり、カイロプラクティックの適応、効果を期待出来ます。

また歪みに対して何かしらの症状が伴う場合、機能的、構造的に問わず、身体全体のバランス、機能に対するアプローチをする事により症状の軽減、改善が期待出来ます。

ストレートネック(頭部前方突出位)

ストレートネックとは本来、緩やかに前弯(生理的前弯)している頚椎の前弯が失われ、ストレート、又は後弯してしまうアライメント異常です。

原因としては、むち打ち症など頭頸部の激しい過伸展に伴う頸部前面の組織(胸鎖乳突筋、斜角筋、頸長筋など)の損傷やスパズムによるものや慢性的な不良姿勢(スマートフォン、長時間のパソコン作業、デスクワークなど)により関節可動性の問題、筋のアンバランスが生じたものが挙げられます。

ストレートネックは殆どの場合、機能的問題でありカイロプラクティックの適応ですので効果が期待できます。

構造的問題で挙げられるとすれば退行性変性による変形があります。

カイロプラクティックによるアプローチ例

  • むち打ち症に伴うストレートネックの場合、頭頸部の過伸展、過屈曲により前述の組織に対する損傷やスパズムの他にも、頚椎前弯の頂点である中部頚椎(C4〜5、C5〜6分節)には靭帯の挫傷やハイパーモビリティ(関節の過可動性)が、上部及び下部頚椎にはハイポモビリティ(関節の低可動性)を呈する事が頻繁みられます。

その場合、カイロプラクティックを安全に受けられるように問診、検査を行なった上で患部組織に対する軟部組織テクニック、アクティブケアの提案や関節に対する関節マニュピレーション、アジャストメント(調整)を行いバランスを整えていきます。

  • 慢性的な不良姿勢が原因の場合、身体全体の関節機能、筋のアンバランスを評価し施術を行います。

何故、不良姿勢がストレートネックに繋がっていくのか、全身の施術が必要になるのかを座位姿勢を例に説明していきます。

座位で姿勢を維持できず、骨盤が後方に倒れる(後傾)。

背骨全体が丸くなる事により、猫背姿勢になり頭部が前方へ突出(脊柱後弯)。

顔が下を向いてしまうので、眼で補正がかかり上記の姿勢のまま顔を上げる(中下部頚椎屈曲、上部頚椎伸展、)

このような場合、ストレートネックという「結果」は頭頸部に現れますが、「原因」は腰部、骨盤帯にあります。

カイロプラクティックでは「結果=症状」にも着目しますが、「何故このような事が起こったのか=原因」に対するアプローチを行うため症状のある患部以外、身体全体の施術を行います。

理想的な座位姿勢の作り方

理想的な座位姿勢の作り方

1. いつものように椅子に座ります。

理想的な座位姿勢の作り方

2. 股関節に手を当てて、手を挟むようにお辞儀をします。

3. お辞儀をしたまま、お尻を背もたれまで後ろに引きます。

お辞儀をしたまま、お尻を背もたれまで後ろに引きま

4. 上体を起こします。

上体を起こします

タオルを使った座り方

1. 厚手のタオルを筒状に丸めます。

2. 椅子に座り坐骨を探します。(坐骨はお尻の下に手を入れ、お尻を前後左右に動かすとゴリゴリと当たる骨です。)

3. 坐骨の後ろに筒状に丸めたタオルを置きます。(この時、お辞儀しながらだとタオルを置きやすいです。

タオルを使った座り方

このように座り方を正す事も大切ですが、アラームを1時間毎にセットして鳴ったら室内を歩いたり軽く体操をする事もお勧めです。簡単に取り入れる事が出来て効果もあるので是非試してみてください。

X脚(外反膝)、O脚(内反膝)

X脚は左右の膝内側を揃えても左右の内くるぶしが揃わない、接しないものを指し
O脚は左右の内くるぶしを揃えても、左右の膝内側が揃わない、接しないものを指します。

X脚、O脚には成長の過程で生じる生理的なものもあり、一般的に乳幼児はO脚を、2〜6歳位は歩行の影響によりX脚を呈しています。

ですのでお子さんの脚が真っ直ぐでなかったとしても、上記の年齢前後であれば成長過程の可能性が高く自然に真っ直ぐになっていくのでご安心ください。

構造的問題に伴うX脚、O脚

変形性疾患→変形性股関節症、変形性膝関節症など。

先天的な骨の形状→脛骨の湾曲(脛骨内反)、大腿骨の頚体角異常、臼蓋不全など。

靭帯の異常→側副靭帯の損傷、緩み ※機能的問題にも含まれる。

機能的問題に伴うX脚、O脚

  • 内転筋群の問題(筋力低下、過緊張)
  • 運動連鎖の問題→骨盤帯の前後傾、足関節の過回内、過回外

などが代表的な問題と考えられています。

運動連鎖とは下記のように一つの関節運動、アライメント変化に対して、①〜⑥のように他の関節も連動して変化していく現象です。

X脚(外反膝)上行性運動連鎖パターン

  1. 回内足
  2. 脛骨内旋
  3. 膝関節外反(X脚)
  4. 大腿骨内旋
  5. 股関節内旋
  6. 骨盤前傾、腰椎前弯

O脚(内反膝)上行性運動連鎖パターン

  1. 回外足
  2. 脛骨外旋
  3. 膝関節内反(O脚)
  4. 大腿骨外旋
  5. 股関節外旋
  6. 骨盤後傾、腰椎後弯

カイロプラクティックによるアプローチ例

内転筋の機能、運動連鎖が原因だった場合は内転筋群の神経支配神経レベルである腰椎や骨盤帯、股関節、膝関節、脛骨大腿関節、足関節、頚椎(眼の調節能力の機能低下により足関節受容器ばかりに頼りバランスを取っている結果、足関節の問題が起こっている場合)に対する施術や内転筋や関連する筋群のバランスを整える事や筋力トレーニングなどを行っていきます。

ストレートネックと同様に症状、結果は膝関節ですが原因は他にある事が多く患部以外にも全身の施術、バランスを整えていく事が大切になります。

構造的問題だったとしても、カイロプラクティックで機能を高める事で患部に対する負担を減らし進行を防いだり、痛みが抑えたりする事が出来ます。

各変形性疾患では変形や代償運動に伴う、患部以外の関節にフィクセーション、アライメント異常や周辺組織の筋力低下、過緊張が起こる事が各変形性疾患ガイドラインで報告されており、カイロプラクティックではこの二次的な機能的問題に対して施術を行います。

側弯症

側弯症とは背骨が左右に弯曲しコブ角が10°以上の状態を指し、肩の高さの違い、肩甲骨の突出、胸郭の歪み、筋発達の左右差、アダムスポジション(体幹前屈位)での肋骨、背部の隆起などがみられ機能性と構築性に分類されます。

側弯の度合いにより10°〜25°は経過観察、20°〜45°は装具着用、45°〜手術適応と治療法も変わっていきます。※装具は成長期を過ぎ、骨が成熟し側弯の進行がない場合は取り外します。

 

 

機能性側弯

  • 背骨(椎骨)の変形がない。
  • 側弯に回旋(ねじれ)を伴っていない。
  • 側弯と反対側に側屈したり、寝たりする事により側弯が改善する。
  • 原因は背骨(椎骨)にない。

機能性側弯の原因は椎間板ヘルニアなどによる逃避姿勢、慢性的な不良姿勢、関節機能障害などが挙げられます。背骨(椎骨)自体が原因ではないので上記のような原因を取り除けば改善します。

構築性(構造性)側弯

  • 骨(椎骨)の変形。
  • 側弯に回旋を伴う。
  • 機能性側弯と異なり、姿勢を変えたり寝たりしても側弯に変化なし。
  • 原因が背骨(椎骨)にある。

構築性側弯は約8割が原因不明の特発性側弯症で原因が分かっていませんが、思春期(10〜15歳)の女子に多く発症します。

その他は症候性側弯症で神経の先天的な骨の形状異常、神経や筋疾患などに伴った側弯です。

カイロプラクティックでのアプローチについて

 

カイロプラクティックにおける側弯症への施術は機能性、構築性どちらも違いはありません。

身体全体を評価し、機能低下、バランスが崩れている部分に対し側弯の向きや状態を考慮した上でアジャストメント(調整)を行い、機能やバランスを正常化させる事によって人の持つ自然治癒力を最大限に引き出します。

機能性と構築性では効果に違いがあり、機能性は原因が機能(筋、関節の可動性、アライメント等)にある事から機能を正常化、原因を取り除けば側弯の改善、効果があります。 構築性の場合、原因は構造にあるためカイロプラクティックは適応ではなく、側弯の改善には効果が期待出来ません。しかしカイロプラクティックを受け機能を正常化する事により、結果として筋緊張や痛みなど症状の緩和や側弯の進行を遅らせる事は臨床上有り得ると考えています。

 

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