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症状別解説:腰痛
腰痛の原因 その1 骨盤・背骨のゆがみ
骨盤や背骨がゆがんでいることが腰痛の原因であることは非常に多いです。
なぜならそれらがゆがんだ結果バランスが崩れ、腰の特定の部位に負担をかけ続けることになるからです。
ここで言う骨盤や背骨のゆがみとは、骨盤や背骨の「関節のねじれ」であって、骨自体のゆがみ(=変形、構造的ゆがみ)ではありません。
ですから冒頭の文章を言い換えるならば「骨盤や背骨の関節がねじれっぱなしになっていること」が原因の腰痛が非常に多い、ということになります。
そういった骨盤・背骨のゆがみがあると重心が体の中心からズレてしまうので、自然と体の使い方が偏ります。偏って使い過ぎてしまった筋肉や、偏って体重負荷のかかった椎間板、椎間関節がSOSサインとして痛みを出すのです。
カイロプラクティックではそうした偏りを生んでしまっている特定の関節のねじれをサブラクセーションとか機能的なゆがみと呼び、それを探し出してアジャスト(矯正)することで体の偏りを減らして体がまんべんなく使える状態にします。
そうなれば負担の偏りはなくなるので、腰を使い過ぎずに済むようになって痛みも減るのです。
構造的なゆがみの場合、本当にそれだけが問題であれば手術を行うしかありませんが、臨床上それだけが原因になっていることは多くありません。
構造的にゆがんでいてもちゃんと機能していれば(動いていれば)症状はない、もしくは少ないからです。構造的なゆがみの代表である側弯があっても無症状の方も普通にいらっしゃいます。
機能的なゆがみの場合、背骨の関節の動きや筋肉の緊張などを取り除いていくことでゆがみが少なくなっていきます。特にカイロプラクティックは矯正によって関節の動きやすさを取り戻していけるので、機能的なゆがみには有効です。
構造的なゆがみ(特発性の側弯など)が存在する場合は、症状緩和やゆがみの進行予防のためにギプス補正や筋肉・関節の調整が行なわれます。
肩の高さが違う、偏っている感じがする、病院で曲がっていると言われた方も機能的なゆがみが解消されれば肩こりや肩の違和感は軽減することが多いです。
腰痛の種類 その2 椎間関節性腰痛、仙腸関節性腰痛
症状
背骨の中には背中側で体を支える椎間関節という部分と、お腹側で体を支える椎間板という部分があります。
不良姿勢や体のゆがみによって背中側の椎間関節に負荷がかかり過ぎるとSOSサインとして椎間関節特有の痛みを感じるようになります。
それが腰や骨盤で起こるものがそれぞれ椎間関節性の腰痛、仙腸関節性の腰痛と呼ばれます。
痛み方は背骨とその周辺だけにとどまらず、鼠径部やお尻や太ももの後面・側面にも広がることがあり、関連痛と呼ばれる神経走行に沿わない鈍い痛みが表れることがあります。
その痛みが動きに伴って生じることも多く、腰の曲げ伸ばしでズキッとすることもあります。特に腰を反らせる動作で痛みが出ることが多いようです(脊柱管狭窄も腰を反らせると増悪するので鑑別が必要です)。
きっかけ
代表的なきっかけとしては転んでしりもちをついたり、重いものを持ち上げる時にひねったりして急激に関節がロックしてしまうこと、妊娠中や産後などで関節が緩み不安定になっていることが多いようです。
緩い場合は骨盤ベルトなどで固定すると症状が落ち着きます。また急性の関節の捻挫では非常に強い痛みを感じます。
施術
急な負荷や持続的な負荷がかかり関節がロックしてしまった(可動性が減少している)場合も慢性的な負荷で緩くなり過ぎてしまった(可動性が亢進している)場合も同じような症状が出ますが、治療方法としては真逆のことを行うので、しっかりと鑑別ができないと悪化します。
関節の可動性が減少している場合、関節を動かしていくことで改善が見込めます。骨盤矯正で良くなるのはこの場合です。
関節の可動性が亢進している場合(妊娠中や産後など)は患部の固定が必要になってくるため、骨盤ベルトの着用が症状を和らげてくれます。
また、股関節や患部の上下の固まった関節を正しく動かすことで患部への負荷を逃がすことができるようになります。
病院でも関節の問題だと診断してもらえれば注射などで痛みを抑えられます。しかしレントゲンやMRIではそれぞれの骨の位置関係は分かっても静止画である為に動きの固い緩いはわかりませんので、関節の問題だと気付いてもらえるまでに何度も通院するケースもあるようです。
早期回復に向けて、固い関節なのか緩い関節なのかを鑑別できる、信頼できるカイロプラクターに任せるのが良いでしょう。
腰痛の種類 その2 筋性の腰痛症、筋・筋膜痛シンドローム
症状
腰から背中の痛み、こり、ハリ、ピリピリ感など様々な感じ方をしますが、一言で言えば筋肉疲労で感じる不快感の総称です。
日常的な不良姿勢や力仕事、慢性的な体のリキみによって筋肉が過剰に収縮した状態が続きリラックスできないでいると段々と筋肉の中に発痛物質が溜まり不快感を覚えるようになります。筋肉を使いすぎることが原因なので急に体をひねった、重いものを持ち上げたなどの負荷によって筋肉を傷めてしまうことも発症の原因になりますが、その場合も元々腰痛持ちだった、運動不足で筋力が弱くなり過ぎていたなど慢性的に腰を痛める素因があった、ということがほとんどです。
筋膜というのは筋肉の皮膚のようなもので、筋肉を使い過ぎると癒着を起こして伸び縮みできなくなり固まってしまいます。筋膜が固まってしまうと中の筋肉は締め付けられるようになるため、そのまま慢性的な筋肉の収縮や体のリキみとなり不快感につながります。施術
病院ではレントゲンで筋肉の損傷や筋膜は写らないため、腰痛があると言って整形外科を訪れても原因不明で湿布や痛み止めを処方されるだけのことが多いでしょう。
それで自然治癒するケースもありますが、慢性化した腰痛の場合は癒着した筋膜に生理食塩水などを注射してくっ付いた組織同士をはがすなどの専門的な治療が必要になります。
カイロプラクティックでは痛んでしまった筋肉ではなく、筋肉が収縮せざるを得なくなっているような体のゆがみをアジャスト(矯正)します。
腰を無理に使っているために筋肉が痛くなるので、自然に腰を使えるバランスに戻していけば無理に使うことはなくなると考えるのです。もちろん筋肉や筋膜の強い収縮がある場合は注射を用いず手技で収縮を和らげるなどして、まずは痛みの緩和を図ります。
それだけでも痛みは減りますが、繰り返す腰痛にはそれなりの原因があるので、その場の痛みを取ればいいという考え方では通用しないでしょう。腰を使わざるを得ないバランスに偏っていることが問題なのです。
まとめ
腰という字はにくづき(肉体)の要と書きますように、腰は体の中心軸であり要であるため、腰を痛めると首を動かしたり腕を動かすことも腰に響いてできないこともあるくらいです。
皆さん、腰を痛めたことにより、腰がいかに体の中で大事であったかを痛感するとよく仰います。
当院は、目黒で開業して10年以上、皆様の腰痛の苦しみと深く向き合ってまいりました。 目黒の腰痛治療においては当院の右に出る整体院はないと自負しております。
その証拠に当院にはたくさんのお客様の喜びの声や、医師や医療関係者の推薦、多くのお客様のご紹介を頂いております。
当院のカイロプラクティック整体はただの整体技術ではなく、医師も推薦する国際基準の正規のカイロプラクティックに豊富な臨床経験と鑑別技術、さらには当院オリジナルのスパイナルメソッドと哲学に裏打ちされた比類なき整体と言えます。
目黒において、腰痛で苦しんでいる皆様に大いにお役に立てる確信があります。 目黒駅徒歩3分の目黒通り沿いの分かりやすい好立地にありますので、ぜひ一度ご相談下さいませ。
WHOの腰痛ガイドラインについて
2023年12月2日にWHOは「プライマリ・ケアおよびコミュニティケアにおける成人の一次性慢性腰痛の非外科的マネジメントのためのガイドライン」を発表しました。
本ガイドラインでは、脊椎マニピュレーションは高齢者を含むすべての患者への使用が推奨される理学療法の一つであるとされ、他にはドライニードリング(筋対象の鍼治療)、構造化された運動プログラム、マッサージも含まれます。
TENS(経皮的電気刺激療法)、超音波、牽引、サポーターはすべて価値がないとされ、使用しないよう勧告されました。 また、オピオイド、ベンゾジアゼピン系薬剤、抗うつ剤、抗けいれん剤、筋弛緩剤、大麻関連製剤、アセトアミノフェン、ハーブ療法(カイエンペッパー外用剤を除く)はすべて使用、推奨しないよう明記されました。
ただし、非ステロイド性抗炎症薬のみが条件付きで推奨されました。
参照:WHOガイドライン
カイロプラクティックの腰痛に対する研究
◎最新の論文では、脊椎ケアにおける手術の限定された役割について述べています。
すべての腰背部痛に対する脊椎手術 (神経根痛および神経圧迫による障害、がん、感染症、または重度の不安定性を除く)は臨床データによって裏付けられておらず、腰痛(LBP) の管理における脊椎手術の広範な科学的根拠は乏 しく大部分では効果がない、とオーストラリアの医学ジャーナルMJA雑誌に掲載されました。
代わりとして、慢性腰痛は一般的に非外科的手段によるホリスティックな生物心理社会アプローチで管理されるべきであると結論付けています。
このレビューは、腰椎領域に影響を与える軸方向の痛みを伴う成人患者 (18歳以上) を含んだあらゆる研究に焦点を当てています。
特に、椎間関節症、椎間板変性、軟部組織異常などの非特異的変性に続発する軸性腰痛を経験している患者が集められています。
「神経圧迫、感染症、癌、または全体的な不安定性がない場合の腰痛治療において脊椎手術を支持する根拠はわずかであり、こうした手術が行われる頻度の増加とは対照的である。」と報告しています。
WFC事務局長のリチャード・ブラウン氏は、「脊椎マニピュレーションやアジャストメント、エクササイズ処方、ライフスタイルのアドバイスや教育、その他のリハビリテーション方法などの実践的なケアはすべて患者利益に確実に貢献できます。
本研究による、脊椎ケアへのホリスティックな生物心理社会アプローチの推奨は、脊椎関連の疼痛と障害の国際的な課題に取り組んでいるカイロプラクティックへの強力な支持になるでしょう。」
と回答しています。
【参考文献:The role of spinal surgery in the treatment of low back pain】
◎ウォーキング(歩行)は腰痛の再発抑制に役立つという、運動推奨と非特異的腰痛に関する研究報告がありました。
著者らは、無治療対照とウォーキング(歩行)および教育プログラムを比較した無作為化試験を実施して、介入には「ヘルスコーチング・アプローチ」が用いられ、腰痛の再発を有意に減少させました。
「ヘルスコーチングの原則を用いて積極的な自己管理を促すWalkBackの介入は腰痛の再発の有病率とそれに伴う医療制度への負担を軽減できるかもしれない」と著者らは結論づけています。
Pocovi NC, Lin CW, French SD, Graham PL, van Dongen JM, Latimer J, Merom D, Tiedemann A, Maher CG, Clavisi O, Tong SY. Effectiveness and cost-effectiveness of an individualised, progressive walking and education intervention for the prevention of low back pain recurrence in Australia (WalkBack): a randomised controlled trial. The Lancet. 2024 Jun 19
◎カイロプラクティックケアはオピオイド処方を受けるリスクを軽減することが最新の研究で報告されています。
世界中で何万人ものオピオイド(鎮痛薬)関連の死亡と入院があり、北米の研究では、新型コロナウイルス感染症パンデミックの最中に増加したことが示されています。
JMPT誌に最近発表された研究では、非がん性脊椎関連疼痛の患者の場合、カイロプラクティックケアを受けた人は受けなかった人よりもオピオイドの処方を受ける可能性が低いことが示されました。
混合メソッド法分析を含むこの後ろ向き研究では、945人の患者の記録を調べ、14 人の患者と9人の総合診療医に対してインタビューを実施しました。
非がん性疼痛患者945人のうち24%が オピオイド処方を受けており、カイロプラクティックを受けている人は、受けていない人よりもオピオイド処方を受ける可能性が52%低いことがわかりました。
参考:Association of Chiropractic Care With Receiving an Opioid Prescription for Noncancer Spinal Pain Within a Canadian Community Health Center: A Mixed Methods Analysis
◎カイロプラクティック&徒手療法誌(Chiropractic and Manual Therapies)掲載の論文
「腰痛や頚部痛に対する徒手療法後の有害事象は回復の可能性に影響を与えるか:コホート研究では、非特異的腰痛と頚部痛の予後は徒手療法後の軽度~中等度の有害事象により影響しないと報告しています。
著者は「有害事象と関係する治療は 、疼痛組織が解放されることで侵害受容器が刺激されて生体力学的(バイオメカニクス)適応の反応が起こることが考えられる」と述べています。
◎英国医師会雑誌(BMJ)に掲載された「慢性腰痛治療を目的とした脊椎徒手療法の有益性と有害性:ランダム化比較試験のシステマティックレビューとメタアナリシス」では、脊椎徒手療法(SMT)がガイドライン推奨の治療法(運動や投薬)と同様の効果があると報告しています。
◎米国医師会雑誌(JAMA)にカイロプラクティックケアを通常医療に追加することで腰痛の不快感や障害を減らす可能性を示唆する研究報告が発表されました。
腰痛疾患を抱える米軍人750名のうち、全員が理学療法と疼痛と炎症を 抑える薬物を処方され、うち半数がカイロプラクティックケア(脊椎マニピュレーション、リハビリ運動、温熱療法を含む)を処方されました。
被験者の平均年齢は31歳(70%が男性)、6週間以内に12回までのカイロプラクティックケアが 提供されました。
6週間後、カイロプラクティックケアを追加処方されたグループに、通常医療のみのグループより大きな腰痛改善が見られました。
筆頭研究者のChristine Goertz 博士は、「脊椎マニピュレーション(カイロプラクティックアジャストメント)は外傷による状態から身体の組織を治癒させ、疼痛を抑制することで体を正しく働くよう改善させる可 能性があります。」と答えています。
米国では日本同様、多くの成人が腰痛を抱え労働生産性に影響を与えています。
現在、米国ではオピオイド系鎮痛剤の乱用が社会問題となり、疼痛緩和として薬物や注射、手術といった治療法よりも危険性が低い保存療法に注目が集まっています。
「腰痛疾患の米軍人における疼痛および障害に対する、通常医療およびカイロプラクティックケアと通常医療のみの効果の比較:比較効果の臨床試験」
メディカルオンライン:腰痛治療へのカイロプラクティック併用効果:最大規模研究
◎2月16日米国内科学会(ACP)は腰痛治療に対して市販薬や処方薬を使用する前に太極拳・ヨガ・カイロプラクティック・マッサージを受診することをガイドラインで初めて推奨しました。
2007年のガイドラインでは既に運動療法(エクササイズ)、 マッサージ、脊椎マニピュレーション(カイロプラクティック)、鍼治療は推奨されているため、今回新たに太極拳とストレス解消法が追加されました。
処方薬であるオピオイド鎮痛剤の使用は中毒性があるため推奨されていません。
この記事では資格を有したカイロプラクターにかかることを推奨していますが、日本国内には法律がないため、厚生労働省に名簿が提出されている日本カイロプラクティック登録機構登録者もしくは WFC 日本代表団体 の日本カイロプラクターズ協会会員のカイロプラクターにかかることをお勧めします。
Stop Back Pain Without Drugs Noninvasive Treatments for Acute, Subacute, and Chronic Low Back Pain: A Clinical Practice Guideline From the American College of Physicians 腰痛治療の新ガイドライン―まずは薬物療法以外を
◎2014年11月21日Spine誌掲載のM.シュナイダー氏らの研究報告によれば、腰痛に対する徒手的スラストマニピュレーション(MTM)と補助器具を用いるマニュピレーション(MAM)の有効性の比較、およびマニピュレーションと通常の内科的治療とを比較する無作為対照試験が行われ、徒手的スラストマニピュレーション(MTM)は、MAMおよび内科的治療に 比べ、腰痛患者の疼痛や機能障害を短期的に改善することが示されました。
A Comparison of Spinal Manipulation Methods and usual Medical care for Acute and Sub-Acute Low Back Pain: A Randomized Clinical Trial.
腰痛の機能障害を短期に改善する手技は?
◎Spine誌Volume14,Issue7,Pages 1106–1116, July 1, 2014
「慢性腰痛ケアに対する脊椎マニピュレーションの用量反応と有効性:無作為化比較試験」と題した論文が掲載されました。
脊椎マニピュレーションを用いる場合、18回以上の施術では大きな違いはなく12回の施術が一番効果的な結果が得られたとのことです。
この研究はNIH(米国立衛生研究所)のNCCAM(国立補完代替医療センター)の研究費補助金で行われました。
Dose-response and efficacy of spinal manipulation for care of chronic low back pain: a randomized controlled trial カイロプラクティック (「統合医療」情報発信サイト・厚生労働省)
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