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肩こり・肩の痛みFAQ
肩こりと五十肩(肩関節周囲炎)の大きな違いは、「肩関節を動かしたときに特定の角度で鋭い痛みが出るか」という点です。
一般的な肩こりは、首から肩にかけての筋肉の張りや重だるさが中心です。
一方、五十肩の初期では、腕を上げる、後ろに回す、上着を着る、髪を結ぶといった動作で、肩の奥に「ピキッ」「ズキッ」とした痛みが出ることがあります。
夜、寝返りを打ったときに痛む「夜間痛」が出てくることもあります。
ここで注意したいのが、痛いからと肩を長期間動かさなくなることです。
炎症が続いた状態で動かさない期間が長くなると、関節包が硬くなり、いわゆる「拘縮」が進んで腕が上がらなくなることがあります。
こうなると回復まで半年から1年以上かかるケースもあります。
ただし、初期の強い痛みがある時期に無理やりストレッチしたり、強く肩を動かしたりするのも逆効果です。
当院では、まず肩関節そのものの可動域、肩甲骨の動き、頚椎・胸椎・肋骨との連動性を確認します。
そのうえで、痛みが強い時期には炎症部位へ無理な刺激を加えず、肩甲帯や脊柱の動きを整えながら肩への負担を軽減します。
痛みが落ち着いてきた段階では、徐々に関節可動域を回復させるアプローチへ移行します。
五十肩は、「痛いけれどまだ動く」という初期段階で適切に対応することが重要です。
「ただの肩こりだろう」と長期間放置せず、肩の動きに伴う鋭い痛みが続く場合は一度専門家を訪ねて状態を確認することをおすすめします。
どんな枕や寝方をすれば楽になりますか?
五十肩(肩関節周囲炎)では、日中よりも夜間に痛みが強くなる「夜間痛」がよくみられます。
五十肩の初期は、肩関節を包む関節包やその周囲に炎症が起きていることがあります。
横になると肩の位置が一定になりやすく、炎症を起こしている組織に圧迫や牽引が加わったり、寝返りで肩関節が急に動いたりすることで、肩の奥にズキズキとした痛みや鋭い痛みが出やすくなります。
関節内の圧力変化や、長時間同じ姿勢になることも夜間痛に関係すると考えられています。
寝るときは、まず痛い肩を下にして横向きに寝ないことが基本です。
仰向けの場合は、痛い側の肘から前腕の下に薄いクッションや折りたたんだタオルを入れて、腕が少し身体から離れた自然な位置になるよう支えてください。
横向きの場合は痛くない側を下にして、胸の前に大きめのクッションを置き、その上に痛い腕を預けると肩への負担を減らしやすくなります。
枕の高さだけを変えても、肩そのものが不安定な位置にあると夜間痛は改善しにくいため、頭だけでなく腕と肩を支えることがポイントです。
当院では、夜間痛が強い炎症期に無理な肩関節のストレッチや強い矯正は行わず、頚椎・胸椎・肩甲骨・肋骨の動きを整え、肩関節にかかる負担を減らすことを優先します。
痛みが落ち着いてきた段階で、徐々に肩関節の可動域を回復させていきます。
夜間痛で何度も目が覚める状態は、単なる肩こりとは考えにくい症状です。
強い痛みが続く場合や、急に腕が上がらなくなった場合は、腱板損傷など別の疾患との鑑別も含め、一度整形外科で評価を受けることも大切です。

強く揉んでもらうとその場は楽になりますが、すぐに戻ってしまいます。
デスクワークで肩が「鉄板のように硬くなる」場合、単純に筋肉が凝っているだけではなく、長時間同じ姿勢を続けることで、僧帽筋などが頭や腕の重さを支え続け、過緊張を起こしている可能性があります。
特にパソコン作業では、頭が前に出て肩が内側に入り、肩甲骨の動きが少なくなりがちです。
本来、肩甲骨は肋骨の上を滑るように動きますが、この動きが低下すると、僧帽筋や肩甲挙筋など一部の筋肉に負担が集中します。
その結果、午後になるほど重だるさや張りが強くなってきます。
ここで硬い筋肉を力任せに強く揉み続けることには注意が必要です。
一時的に血流が増えて楽に感じても、過度な刺激によって筋肉や筋膜に炎症や微細な損傷が生じると、「揉み返し」が起きたり、身体が刺激から守ろうとして筋緊張を強めたりすることがあります。
これを繰り返すと、「強く揉まないと楽にならない」という悪循環になりかねません。
当院では、硬くなった僧帽筋だけを強く押すのではなく、肩甲骨と肋骨の滑走性、胸椎や頚椎の可動性、鎖骨を含めた肩甲帯全体の動きを確認します。
肩甲骨が自然に動ける状態をつくることで、僧帽筋に集中していた負担を分散させていきます。
肩こりを繰り返さないために大切なのは、「硬いところを揉む」だけではなく、なぜそこが硬くならなければならないのかを見極めることです。
毎日のように午後になると肩が固まる方は、姿勢だけでなく肩甲骨や脊柱の動きから見直してみることをおすすめします。
巻き肩を気にして、常に「胸を張る」「肩甲骨を寄せる」ことを意識しすぎると、かえって肩の後ろや背中に痛みが出ることがあります。
巻き肩では、大胸筋・小胸筋など胸の前側の筋肉が縮こまり、肩甲骨が前方へ引かれているケースが少なくありません。
その状態で無理に肩甲骨だけを後ろへ寄せ続けると、菱形筋や僧帽筋など背中側の筋肉が常に力を入れた状態になり、疲労や痛みにつながります。
つまり、正しい姿勢とは「力を入れて胸を張り続ける姿勢」ではありません。
余計な力を使わなくても、頭・胸郭・肩甲骨・骨盤が自然に積み重なっている状態が理想です。
当院では、肩だけを見るのではなく、まず大胸筋・小胸筋の緊張や肩甲骨の動きを確認します。
さらに、胸椎や肋骨、骨盤の傾きまで評価し、骨盤から背骨、肩甲骨までが連動して動ける状態をつくっていきます。
巻き肩は、単純に「肩を後ろに引けば治る」というものではありません。
無理に胸を張って痛みが出ている場合は、頑張って姿勢を固定するのではなく、なぜ肩が前に出ているのかという原因から整えることが大切です。

最近、右肩だけが異常に凝り、腕を下ろした状態でも違和感があります。
左に変えれば治りますか?
バッグを反対側に持ち替えることは負担を分散する意味では有効ですが、それだけで身体の左右差が元に戻るとは限りません。
重いバッグをいつも同じ肩にかけていると、バッグが落ちないように無意識に肩を持ち上げたり、身体を反対側へ傾けたりします。
これを毎日の通勤で繰り返すと、僧帽筋や肩甲挙筋など片側の筋肉が緊張するだけでなく、肩甲骨・背骨・骨盤まで左右非対称な使い方が習慣化していくことがあります。
この状態になってから単純にバッグを左側へ変えると、右肩への負担は減っても、今度は左側に同じ負担をつくってしまう可能性があります。
当院では、痛みのある右肩だけを緩和するのではなく、左右の肩の高さ、肩甲骨の位置、背骨の側方への傾き、骨盤の左右差まで確認します。
そのうえで、非対称になった身体のアライメントと関節の動きを整え、片側だけに負担が集中しにくい状態へ調整していきます。
日常生活では、バッグを左右交互に持つことに加えて、可能であればリュックなど両肩で荷重を分散できるものも日替わりで使用することも有効です。
片側だけの肩こりが何週間も続く場合は、「右肩の筋肉が硬い」という結果だけではなく、なぜ右肩に負担が集中しているのかを身体全体から見直すことが大切です。
これは良くなる前兆ですか?
強く揉んだ翌日に出る痛みを「好転反応」と説明されることがあり、たしかに臨床的にはそういったこともよくありますが、医学的には、強い刺激によって筋肉や筋膜などの組織に過度な負担が加わった「揉み返し」と考える方が自然です。
筋肉は強く押せば押すほどほぐれるわけではありません。
必要以上の圧力を加えると、筋線維や周囲の組織に微細な損傷や炎症が起こし、翌日にズキズキした痛み、熱感、重だるさなどが現れることがあります。
こうした状態で、さらに「硬いから」と強く揉み続けると、かえって症状を長引かせる可能性があります。
揉み返しが起きた直後は、痛い場所をさらに強く押したり、無理にストレッチしたりせず、まず炎症を落ち着かせることが大切です。
強い痛みがある場合は刺激を控え、通常は時間の経過とともに改善していきます。
当院では、「強ければ効く」という考え方ではなく、筋肉や関節の状態、その日の痛みや炎症の程度を確認しながら、身体が受け入れられる適切な刺激量を見極めて施術します。
炎症が疑われる部分を力任せに刺激するのではなく、頚椎・胸椎・肩甲骨など関連する部位の動きを整え、患部への負担を減らしていきます。
施術で重要なのは、刺激の強さではなく、その人の状態に対して必要十分な刺激を正確に入れることです。
強い揉み返しが何日も続く、腫れや内出血がある、腕のしびれや力の入りにくさを伴う場合は、単なる揉み返しと決めつけず医療機関での確認もおすすめします。

衣服の紐やストラップが症状のきっかけになっている可能性はあります。
ただし、紐そのものだけが原因というより、もともと負担が集中している筋肉に圧迫刺激が加わり、痛みが出やすくなっているケースが多くみられます。
肩の上には僧帽筋や肩甲挙筋などがあり、デスクワークや猫背、長時間の同じ姿勢によって緊張が続くと、筋肉の一部に押すと強く痛むトリガーポイントが形成されることがあります。
そこへエプロンの紐や下着のストラップが繰り返し当たることで、局所がさらに過敏になり、コリや痛みとして感じやすくなります。
そのため、ストラップを緩めたり幅の広いものに変えたりすることは負担軽減に役立ちますが、それだけでは根本的に改善しないこともあります。
当院では痛い場所だけを強く揉むのではなく、肩甲骨の位置や動き、鎖骨、第一肋骨、頚椎・胸椎との連動性まで確認します。
特に鎖骨や上位肋骨周囲の動きが低下すると、肩甲帯の筋肉に余分な緊張がかかることがあるため、身体全体のバランスをみながら負担を分散させていきます。
「紐が当たる場所だけがいつも痛い」という場合でも、見るべきなのはその一点だけではありません。
なぜそこが圧迫に弱くなっているのかを肩甲帯全体から評価することが大切です。
真上には上がるのですが、斜めの動きだけ痛むのはなぜですか?
腕を真上に上げる動きでは問題がなくても、斜め上へ伸ばしたときだけ肩の外側に鋭い痛みが出る場合、腱板や肩峰下滑液包などが刺激される「肩峰下インピンジメント」や腱板障害が関係している可能性があります。
肩関節は、肩甲骨の浅い受け皿の上を上腕骨頭が動く構造になっています。
腕を斜め上に伸ばすような外転と屈曲が組み合わさった動作では、上腕骨頭と肩甲骨が適切に連動することが重要です。
この軌道がわずかに乱れると、腱板や滑液包に負担が集中し、特定の角度だけ「ズキッ」と痛むことがあります。
原因は肩だけとは限りません。
肩甲骨の動きが悪かったり、胸椎が硬かったりすると、腕を上げる際に肩関節だけで動きを補うことになり、症状が出やすくなります。
当院では、痛い部分を単純に揉むのではなく、上腕骨頭が関節の中で適切な軌道を保てているか、肩甲骨が腕の動きに合わせて滑らかに動いているかを確認します。
そのうえで、肩関節・肩甲骨・胸椎・肋骨の動きを整え、腱板に集中している負担を減らしていきます。
「真上には上がるから大丈夫」とは限りません。
特定の角度で繰り返し鋭い痛みが出ること自体が、肩の動きに問題があるサインです。
痛みを我慢して何度も同じ動きを繰り返すのではなく、早めに状態を確認することをおすすめします。

手を背中に回す「結帯動作」は、単純に腕を後ろへ動かしているだけではありません。肩関節の内旋・伸展、肩甲骨の動きが組み合わさった複雑な動作です。
五十肩などで肩関節を包む関節包、特に後方から下方の組織が硬くなってくると、上腕骨頭が本来の軌道で動きにくくなり、手を背中へ回したときに肩の前側へ負担が集中することがあります。
この状態で「硬いから伸ばせばいい」と、反対の手で腕を強く引き上げるようなストレッチを繰り返すのはおすすめできません。動きにくい関節包を無理に引き伸ばそうとすると、前方の腱や関節周囲組織に余計なストレスを加え、痛みを悪化させることがあるためです。
当院では、無理に腕を背中へ押し込むのではなく、上腕骨頭の位置や動き、関節包の硬さ、肩甲骨・鎖骨・胸椎との連動を確認します。
そのうえで、肩関節に過剰な負担をかけない範囲で関節の動きを調整し、少しずつ自然な内旋・結帯動作を取り戻していきます。
大切なのは、「届かないところまで無理やり伸ばす」のではなく、なぜ届かなくなっているのかを見極めることです。
以前より明らかに手が背中へ回らなくなった場合は、五十肩の初期や肩関節の機能低下が隠れていることもあるため、早めの評価をおすすめします。
そのせいか冬は肩こりが悪化し、夜も肩が冷えて眠れません。
寒い環境では、身体は熱を逃がさないように末梢の血管を収縮させるとともに、無意識に肩をすくめて身体を守ろうとします。
こうした寒冷刺激に対する反応には交感神経の働きも関係しています。
肩をすくめた姿勢が長時間続くと、僧帽筋上部や肩甲挙筋などが緊張し続け、肩周囲の血流も低下しやすくなります。
そのため、冬場になると「肩が重い」「首までガチガチになる」「冷えて寝つきにくい」といった症状が強くなることがあります。
もちろん、入浴などで肩まわりを適度に温めることは有効です。
ただし、温めてもすぐ元に戻る場合は、肩甲骨や背骨の動きが悪く、寒さに対して必要以上に肩をすくめる身体の使い方が定着している可能性があります。
当院では、手技によって筋肉の緊張を和らげながら、頚椎・胸椎・肋骨・肩甲骨の動きを整え、肩甲骨がスムーズに動ける状態をつくっていきます。
また、呼吸や身体全体の緊張状態も確認し、リラックスしやすい身体環境を整えていきます。
冬の肩こり対策は、単純に「冷やさない」だけではありません。
寒さを感じても肩に力が入りっぱなしにならない身体の状態をつくることが、慢性的な肩こりを防ぐうえで大切です。




















